豊田通商は11月4日、カーボンニュートラル実現に向けた事業強化として、2030年までに同分野に1.6兆円規模を投資すると発表した。同社が7月に発表した、同社単体および国内海外連結子会社のScope1・Scope2における温室効果ガス排出量を、2030年までに2019年比50%削減、2050年までにネットゼロとする目標達成を目指す。
重点分野として「再生可能エネルギーのEMS(エネルギー管理マネジメント)」「蓄電池(バッテリー)」「水素・代替燃料」「資源循環・3R(リデュース、リユース、リサイクル)」「Economy Of Life(医衣食住関連領域)」の5つの事業領域を設定した。
再エネ・エネマネ領域では、自社消費電力の50%を再エネに転換、主要顧客グループの再エネニーズへの貢献、再エネ発電の導入拡大に取り組む。投資規模は7000億円。
バッテリー領域では、地産地消型サプライチェーンの構築、電池製造事業への参画、リチウムなど資源供給能力の拡大、原材料・部材製造事業への参画に取り組む。投資規模は4000億円。
水素・代替燃料領域では、大規模な水素・燃料電池活用に関する3モデル(港湾・公共交通・物流)の10カ所以上での実現、中部地区での代替燃料供給の実現に取り組む。投資規模は2000億円。
資源循環・3R領域では、サーキュラーエコノミー(CE)イノベーションセンターをベースとしたサーキュラーエコノミー×カーボンニュートラル事業の創出、バッテリーtoバッテリー/金属・樹脂再資源化/CO2リサイクルの実現に取り組む。投資規模は2000億円。
Economy Of Life領域では、アグリビジネスを通じたカーボンクレジット獲得、Economy of Life事業のサーキュラーエコノミーおよびカーボンニュートラルコンセプトでのリニューアルに取り組む。投資規模は1000億円。
合わせて、新たに2つの社内制度を導入した。「社内カーボンプライシング制度」では、営業部の事業活動における温室効果ガス排出量が、2019年度の排出量に対して増えた場合は炭素コストとして社内管理上の利益からマイナスに、減らせた場合は炭素クレジットとしてプラスにする。「脱炭素設備投資助成制度」は、脱炭素に貢献できる設備投資にかかる費用のうち、長期金利や原価償却費を助成する。